6月13日、埼玉県川口市でアメリカン・ピットブルテリア(通称:ピットブル)が目撃された情報が埼玉県警に寄せられたそうです。
県警は、外出した際は周囲を警戒し、発見した際は近寄らず、身の安全を最優先するように呼びかけています。
では、どうしてアメリカンピットブルの目撃情報だけで、ニュースになるのでしょうか。危険を感じて、怖くなりますね。
実は、先月沖縄県でも、徘徊していたアメリカンピットブルが、民家で飼われていた犬に嚙みついて殺すという痛ましい事件がありました。
今回は、アメリカンピットブルはどんな犬なのか、紹介しますね。

アメリカンピットブルとは?
基本情報
- 原産国:アメリカ合衆国
- 体重:約14〜30kg
- 体高:約43〜53cm
- 寿命:12〜16年程度
性格の特徴
見た目の強面とは裏腹にとても愛情深く、人懐っこい性格が魅力の犬種です。
飼い主への忠誠心が強く、甘えん坊な一面もあり、家族と深い絆を築くことができます。
知能が高くしつけもしやすいですが、頑固な面もあるため一貫した対応が大切です。また、非常にエネルギッシュで運動量が多く、毎日の散歩や遊びが欠かせません。
注意点
早期の社会化をしっかり行えば、他の人や犬とも良好な関係を築けます。育て方次第で最高のパートナーになります。しかし、力が強いため、未訓練だと問題行動につながることがあります。
攻撃的になるかどうかは育て方次第です。アメリカンピットブルは「本来攻撃的」なのではなく、「人間のしつけと環境」によって変わります。
飼育制限について
日本
アメリカンピットブルは日本国内で法的に飼育禁止されている犬種ではありません。そのため基本的には飼うことが可能です。しかし、一部の自治体では「特定犬」として指定され、柵や標識の設置、係留義務などの独自ルールが課されている場合があります。特に茨城県や沖縄県などでは注意が必要です。また、在日米軍基地の住宅ではピットブルの飼育が禁止されています。
海外
飼育制限や禁止措置がとられている国や地域が多く存在します。これは、攻撃性のリスクや過去の事故などを背景にした「特定犬種規制(Breed-Specific Legislation, BSL)」によるものです。以下、主な国・地域ごとに簡単にまとめます。
イギリス
- 「危険犬法(Dangerous Dogs Act)」によりピットブル・テリアは飼育・繁殖・販売・輸入が全面禁止。
- 違反すると没収や安楽死措置の対象になることも。
カナダ
- 州や都市によって異なる。
- オンタリオ州・ウィニペグ市などではピットブルの飼育・販売・輸入禁止。
アメリカ
- 連邦レベルでは禁止されていないが、市や郡単位で規制あり。
- 例:デンバー市やマイアミ・デイド郡などで全面禁止。
フランス
- ピットブル系の犬は「第1カテゴリーの攻撃的犬」に分類。
- 輸入・譲渡・繁殖は禁止。飼育には届出・去勢・保険加入が義務。
ドイツ
- 州ごとに規制あり。多くの州でピットブルの輸入禁止・飼育条件厳格化。
- 特別許可や試験が必要な場合も。
デンマーク
- ピットブルを含む13犬種が完全飼育禁止。
- 2010年以降、新たな飼育は不可。既存の飼い主にも厳しい管理が課される。
オーストラリア
- 多くの州でピットブルの輸入禁止。
- 飼育自体は可能な場合もあるが、登録義務や去勢などの条件付き。
ニュージーランド
- ピットブルを含む「危険犬種」は飼育登録と去勢義務あり。
- 公共の場での口輪・リード装着が義務。
🛑 注意点
- 同じ国でも、州・市レベルで規制内容が異なる場合があります。
- 「ピットブル系」とされる他犬種(アメリカン・スタッフォードシャー・テリアなど)も同時に規制対象となることがあります。
まとめ
愛情深く、人懐っこく、忠誠心が強くて一見飼いやすそうな反面、強面で体も大きく力もつよい、エネルギーにあふれた犬です。
海外では、飼育制限をされているところが多く、日本で飼う場合も責任をもってお世話しなくてはいけませんね。
最近の2件の事件だけでなく、過去にもアメリカンピットブルによる痛ましい事件が起きています。もう同じことが起きないことを、祈るばかりです。
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